統合失調症のケアマネジャー

人生の大半をメンタルヘルスに費やしてきた男性の経験談

統合失調症を抱えながら起業のメンバーになる7。

こんにちは。pepeneeです。今日はプレイヤーという働き方、マネジャーという働き方、そして、その両方を兼ねて行うプレイングマネジャーという働き方を解説していきます。

 

放デイで、現場を実際に回して、児童たちの発達を促す直接的な療育を行うのが、保育士、小学校教諭等の児童指導員、つまり、プレイヤーです。プレイヤーは上司である児童発達支援管理責任者の立てる個別支援計画(PLAN)に書かれた目標を意識し、それを念頭に現場で児童たちに接する立場です。前回、前々回のMちゃんの例では、Mちゃんの大好きなおやつやボール遊びで体を動かすことの前に、一文字でいいからひらがなの読み書きをすることを実際に実施したりする立場です。全体ミーティングで、セーフティベースの原則を徹底するよう指示を責任者から出されれば、習得するのに個人差はありますが、セーフティベースの原則も考慮に入れて児童に療育を行う児童とのかかわりが一番密なポジションです。

 

マネジャーは、つまり、児童発達支援管理責任者のことです。ケアマネジメントの根幹であるPDCAサイクルを児童一人一人に適用し、児童一人一人の困り感や、発達の課題を保護者様と考え、児童をより良い状態に出来るよう目標、計画を立て、プレイヤーと情報交換をしてより適切な療育を実現するために動きます。マネジャーの働きであるPDCAサイクルを活用した児童や保護者様の生活の改善は、前々回の”統合失調症を抱えながら起業のメンバーになる5。”を参照ください。

 

この二つの役割が上手く当てはまり、調和してマネジャーのプランとプレイヤーの動きが一致している場合は、プレイヤーは現場に集中し、マネジャーはケアマネジメントに集中することが出来ます。しかし、現実は、プレイヤーがセーフティベースの原則に沿った療育が全員出来るわけではありませんし、また、マネジャーの立てたプランがそのまま上手くプレイヤーに伝わり、上手に課題の目標に向けて動くことが出来るとはかぎりません。

 

このような場合、現場責任者の児童発達支援管理責任者が現場に出て、模範的なセーフティベースの原則を押さえた療育をしながら自らが立てたプランの課題目標を意識して現場実行する必要が出てきます。現場に入りながら(プレイヤーをしながら)プランを立てる(マネジャーをする)いわゆるプレイングマネジャーをする必要が出てきます。

 

例えば、Mちゃんの療育を例にすると、Mちゃんの劣等感を抱かせない為に安心した放デイでの居場所を確保することを一番大切にし、(セーフティベースの原則①すべてを受け止める③本人の安全基地をしっかり確保し、ありのままの自分を認めてもらえる環境を作る)その中で、苦手意識を持っているひらがなの読み書きを少しづつ楽しみながら覚えていくことを促していく(PLANの目標、おやつやボール遊びの前にひらがなを読み書きできる様に、一日一文字づつでもいいから練習する。)。繰り返し、読み書きが日々の習慣になっていけば、読み書きが出来ていく自分自身に自信がつき、達成感を感じるようになる(セーフティベースの原則④本人の主体性を伸ばしていく)。といった様に、セーフティベースの原則とPDCAサイクルを場面場面に合わせて組み合わせていく事で、二つの手法が相乗効果を発揮するようになるわけです。そのためには、プレイヤーには、具体的にどうやって療育をするのが適切か、プレイングマネジャーの振る舞いを観て気づき、成長していってもらう必要があります。ですから、おのおの児童に合わせた療育を適切に行うためにも、マネジャーは、ある程度現場も兼ねたプレイングマネジャーであり続ける必要性がある訳です。

 

しかし、プレイングマネジャーであるデメリットもあるのです。その①プレイングマネジャーがいないと現場が回らなくなってしまう点。その②プレイングマネジャーはプレイヤーもマネジャーも兼ねるため、一人で膨大な仕事量をこなさなくてはならなくなることです。僕自身も、ある程度プレイヤーに療育を任せたり、膨大のな仕事量を削減するために効率化を図ったりしたのですが、根本的な解決にはなりませんでした。実は、この二点のデメリットで、統合失調症を抱えながらのプレイングマネジャーは大変な疲労となって僕を襲うことになりました。

 

このブログでは、精神疾患等に罹った方が幸せに生きていくためのヒントを書いています。今後ともよろしくお願いします。