統合失調症のケアマネジャー

人生の大半をメンタルヘルスに費やしてきた男性の経験談

統合失調症と付き合いながら働く4-4。

こんにちは。pepeneeです。前回の自分自身がセーフティベースの原則を応用することで、障害児療育で児童たちに安心、安全な環境を提供し、児童たちの心と情緒の安定を図ることができることを僕の実体験を通して、解説してみました。

 

今回は、セーフティベースが幼少期から大人になるまで無かった僕でも、多少の自己犠牲を払ってでも障害児童にセーフティベースの原則を実行に移すことでセーフティベースの提供者自身のセーフティベースが障害児童達から提供されます。それによって最初の実行者の心のトラウマ、心の傷が癒され、この世界は自分を攻撃してくるものという先入観が取り除かれ、脳機能が回復し、心がタフになり健常者のコミュニケーションが始まるとすぐに不安感や恐怖感に苛まれていた心が”攻撃されているのではない、相手も自分の意見を僕に認めてほしいんだ、受け入れてほしいんだ。”とより正解に近い解釈をする気持ちの余裕が出来るようになっていきました。(認知の歪みの修正)。

 

つまり、愛情や安心が不足している場所から、正しい知識と実行力があれば、いつからでもセーフティベースは築き上げることが出来るし、僕のように幼児から父親から身体的、精神的虐待を受けた人間でも、正しいプロセスによってセーフティベースを作ることが可能だという事が出来ます。

 

前回のブログで、とても重要な視点を言及で与えてくださった方がいました。その方の意見では、大人こそセーフティベースが必要なんだと。そうしないと大人の側がセーフティベースを持っていないために、情緒不安定や不安感、恐怖感がすぐ自分の子供に反射的に攻撃する言動、攻撃する行動に出てしまう。・・・と。そうなのです。自分が過去から受けてきたセルフイメージは、心に余裕のない親に育てられるとその子は、また我が子に心に余裕のない対応をしてしまう。いわゆる負の連鎖が知らず知らずのうちに世代間で続いていってしまっているというケースは本当に多い訳です。世代間の負の連鎖を防ぐには、一番良いのはその親が安心でき、信頼できるカウンセラーや精神科医の下で心の安定を少しづつ得ていき、自分の湧き上がる感情やそれに伴う行動を少しづつ自覚して、行動をよい方向に変えていくことが一番望ましいと思います。

 

時間はかかりますが、出来るだけ自分の感情を吐き出せる場所を見つける様に行動し、信頼できる人間関係の中で、触れ合い、認め合い、助け合う心を養っていける力を身に着けていく事。この辺りは、お世話をする、他者の得になる様に行動してみる。時には自己犠牲もいとわず子供を見守る。抱きしめる。はじめは愛し方、接し方もわからないでしょう。自分が愛されて、守られて育っていないケースだってある訳ですから。しかし、自己犠牲はあまり長続きしないのでお勧めしないですが、自分の愛着スタイル、相手を支配する事が人と関わることだと思っていたり、相手の言いなりになることが愛する事だと誤った対人関係を学習して大人になってしまっている方もたくさんおられます。そういった自分の愛情に対する癖を理解する(認知の歪みを正す。)ことが、世代間の負の連鎖を断ち切る第一歩になるのです。家庭で刷り込まれた価値観。条件付きの愛情。また、社会や学校に出た時の勉学やスポーツで他人と比較されることでしか承認欲求を満たせない歪んだ画一的な価値観。それらすべてを少しづつ疑っていって、どうすれば心の内側から素直に喜びの声に従って生きていく事が出来るのか。

 

昭和、平成に捨てていくべき世代間の負の遺産は、令和と共に歪みのない安心、安全な環境に塗り替えていく必要がありそうです。

 

さて、最後に僕が2年半勤務した登録ヘルパーでは、関わる全ての児童にセーフティベースの原則を促して、ほぼすべての児童の脳内のオキシトシンの分泌を高め、情緒の安定を実現させたと思います。僕自身も、セーフティベースを施す療育者として、毎日児童たちと触れ合い、喜びを分かち合いながら僕の中の心の傷やトラウマが薄れていっているのを感じました。

 

このブログでは、精神疾患等に罹った方が幸せに生きていくヒントを書いています。今後ともどうぞよろしくお願いします。