統合失調症のケアマネジャー

人生の大半をメンタルヘルスに費やしてきた男性の経験談

発達障害と児童虐待によるよく似た発達障害。

こんにちは。pepeneeです。今回は、発達障害や、知的障害、家庭環境の悪さによって情緒が不安定になっている児童をお預かりするサービス、児童発達支援、放課後等デイサービスについてすこしお話ししていこうと思います。

 

児童発達支援、放課後等デイサービスとは発達に凸凹、もしくは遅れがあり、親御さんが育てにくかったりする児童を代わりに施設でお預かりするサービスです。児童発達支援では、1~3歳の児童を9時半から15時半までお預かりし、放課後等デイサービスでは学校が終わった平日に15時半から17時半までお預かりするサービスです。なお、土曜、祝日は学校がないので、朝9時半から15時半までお預かりします。日曜日はお休みのところが多いです。ほとんどの児童が何らかの発達障害を抱えており、純粋な知的障害、自閉症スペクトラム障害は意外と少ないケースが多いです。ここでは発達障害を含む児童の障害を挙げてすべてを書いていくと膨大な量になってしまうので、単純に一般的な発達障害ADHDに絞って話を進めていきます。ADHDはよくクラスに2~3人いた落ち着きのない子を思い出していただければよいと思います。普段はぼーっとしていて自分のやりたいことだけはものすごく集中して周囲が見えないくらい没頭してしまう。また、授業中も席を立ってうろうろしてしまって落ち着きがない。多動的で、不注意、好きな事には過集中・・・そんな特徴をもっている児童です。

 

しかし、これらADHDの児童は、家庭環境が悪くてこうなった訳ではありません。純粋に遺伝的にこれらの症状が出ているだけなのです。ですので、ADHDを持った児童の親御さんも、似た傾向を持つ事が多いです。家庭環境が悪いという条件は満たさない事が多いです。

 

では、児童虐待等、家庭環境が劣悪な場所で育った児童はどうなるか。すべてとは言いませんが、この場合、愛情を受けなければならない唯一の存在である依存すべき親に虐待を受けるわけですから、当然心の安全基地が働かず、脳が正常に発達していかない訳です。様々な側面からみて発達障害に似た症状を、発達障害の遺伝的要因を持たずに生じてしまいます。そして、発達障害を見るとき、それが遺伝的要因でそうなっているのか、家庭環境が劣悪でそうなっているのかを見極めるのは極めて難しい問題です。

 

たくさんの障害児童をお預かりしている児童発達支援、放課後等デイサービスでは、親御さんの面談も定期的に行っています。その面談から、また児童の言動から少しづつ家庭環境の中に劣悪なものがないか、最悪、児童虐待がないかを注意深く探っていく地道な作業があります。また、遺伝的要因での発達障害であれ、児童虐待からくる発達障害のような症状を呈している児童、そのどちらにもセーフティべースの原則を適用して療育(障害のある子供に行う教育のこと)を施すことになります。まずは安心、安全な環境で本人のやりたいこと(主体性)を伸ばすこと、そして、それをベースに社会的、道徳的にやってはいけないことを教えていく。このスタンスはすべての障害児童の療育の根幹として機能することになります。

 

その過程で、児童虐待等の家庭環境の悪さからくると判断した場合、その児童の親御さんにもカウンセリング等を施し、児童と一緒に親御さんもケアしていく必要があります。とても気の長い長期的なケアを腰を据えて行っていけば、少しづつ、親御さんも変わり、(なかなか親御さんの価値観が変わることは難しいですが。)なにより居場所のなかった発達障害の様な症状を呈していた児童も、少しづつ症状が軽くなっていく事があります。家庭にも学校にも安心できる場所がない児童は脳が障害され、ダメージを負っていることが多いです。それを児童発達支援、放課後等デイサービスで癒していくプロセスはとても大切なものとして機能しています。また、僕自身が父親から虐待を受けていたからこそわかるケースもたくさんあり、障害を乗り越えてこういった福祉事業に関わることの意味はとても意義あるものと考えています。

 

このブログでは、精神疾患等に罹った方が幸せに生きるヒントを書いています。これからもどうぞよろしくお願いします。