統合失調症のケアマネジャー

人生の大半をメンタルヘルスに費やしてきた男性の経験談

発達障害と児童虐待によるよく似た発達障害2。

こんにちは。pepeneeです。今日は、最近メジャーになってきた発達障害についてまとめてみようと思います。発達障害児は健常児に比べて、その特性が大きく違うため、小さい頃から自分と周囲が”何か違う、生きるのが苦しい!”と感じているケースがほとんどです。最近になって発達障害という概念が一般化してきている為、世間の常識も変わってきています。ただ、昔同様、まだまだ社会の理解が十分ではないため、本人の生きづらさは顕著にみられます。パッと見て身体障碍者はすぐにわかりますし、知的障害も、少し話してみれば健常者からはすぐ理解されます。重篤な精神障碍者でも、不可解な行動や言動があるため、障害や病気であることはすぐに理解されます。しかし、こと発達障害を抱える児童や大人は、すぐ簡単には健常者か、発達障碍者かを判断することが難しいため、社会の発達障碍者への求める健常者並みの行動を知らず知らずのうちに強いていたり、本人も”なにかがおかしい”と違和感を感じてはいるものの、まさか発達障害という障害を抱えているとは思いもしなかったというケースも多いものです。

 

①意思の疎通が言葉によって出来る。

発達障害の児童や大人は、言葉によって意思の疎通が難なく出来るケースがほとんどです。そのため、ASD自閉症スペクトラム)ではないかぎり、また重篤ASD自閉症スペクトラム障害でない限り一対一の会話ですぐに発達障害であると認識するのはなかなか難しいのです。ADHDの児童でも、ちょっと落ち着きのない子だな、とか普段からちょっとぼーっとしているな、という印章を受ける位がほとんどでしょう。

 

アスペルガー症候群のように、逆に一般の健常者に比べて知能が高い場合もある。

アスペルガー症候群のすべてにそのことが当てはまるかはわかりませんが、アスペルガー症候群と診断された多くの人たちは、言語的知能や、論理的思考能力は一般的な健常児や大人に比べて知能が高いケースがほとんどです。タレントの黒柳徹子さんも、アスペルガー症候群を持っていることは有名な話ですよね。

 

発達障害と診断を受ける基準が意外とあいまい。

発達障害は、主に3つに分類されASD自閉症スペクトラム障害アスペルガー症候群)、ADHD注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)に分けられて診断されるのが一般的です。しかし、ほとんどの児童や大人は、これらの特性の重なりやまたはそこまで重篤ではない、生活を営むのに支障のないくらいの軽微な障害も含まれることが多いため、いわゆるグレーゾーンの診断を受けることも少なくありません。グレーゾーンは、健常児より、能力や、共感性が低い、または高いことを理由に広汎性発達障害という理解が難しい診断が下されることになります。

 

④大きな基準は、集団行動が出来ていれば健常、出来なければ発達障害

この日本の社会では、生まれてから幼稚園、保育園そして小学校等の義務教育でとにかく同じ年代の児童が同じクラスに押し込められ、集団適応や、協調性といったものがとりわけ重視される社会です。その集団生活の中で、なんとなく”普通ではない””自分の殻に閉じこもっている””人間関係がものすごく下手だ。”といった理由だけで、純粋な能力や、高すぎる共感性を持つ優しい児童をマイノリティ(社会的少数者)として差別することで(区別することで)集団が一致団結する特性も僕はあるのではないかと感じます。そこにあるのは、落ち着きがない、不注意、自分の殻に閉じこもる、場の空気を読まずに自分の意見を伝える、など、よく考えたら社会のお荷物になる特質ではないと感じるからです。ただ、大多数のマジョリティー向けに使わている教育という時代遅れのツールに当てはまらない児童を発達障害と名付けている・・・そんな気がして仕方ありません。本来、教育というのは本人の特性に合わせ、本人の主体性を引き出し、本人の興味をとことん追求させてあげられる環境を提供するのが理想ではないでしょうか。戦後の高度成長期にあった日本のレールに敷かれた終身雇用サラリーマンを量産する、大人のいう事をただただ聞くことだけを強要する戦後教育は、今後弊害しか生まず、今後は発達障害と診断される児童の方が日本の未来にイノベーションを起こしてくれるけん引役を引き受けてくれるのではないか、僕はそのように考えています。なぜならADHDや、ASD、LDなどの特質を持つ児童は、協調性、集団適応にはマイナス要素ですが、いったん自分の興味のあることに火が付いたら寝食を忘れて過集中するからです。日本版スティーブ・ジョブズや日本版アインシュタインなど、天才はこの発達障害から出現する可能性が高いからです。

 

アメリカのシリコンバレーで働く職員は発達障害の傾向を持つといわれる。

自分の興味のある分野をとことん追求する姿勢は、今後のIT社会でも必要な人材になることは間違いありません。人とのコミュニケーションを過度に評価する日本社会では、まだ浸透していませんが、アメリカのシリコンバレーでエンジニアやITディレクターを務めている優秀な人材は、子供の頃、発達障害の傾向があったという話もあります。(精神科医 岡田尊司先生の著作に出ています。)

 

⑥日本の将来を担う大切な才能を潰さないでほしい。

日本でいまだ幅を利かせている集団適応、協調性だけを重んじる形骸化した制度疲労を起こしている日本の教育制度は、集団と少しでも異なっているとそれだけでみんなで潰そうとしてしまいます。最近では、この図式を解りやすく解説した『天才を殺す凡人』北野 唯我著 なども出版され、大きく話題となっています。天才の思考は凡人には理解しづらいのです。日本の社会構造が大きく変革期を迎えている現在、個性のある個人こそ、この停滞した失われた日本の30年を取り戻してくれる存在だと期待しています。その代表格である発達障害のレッテルを貼られた未来ある児童達をみんなで守って大切に育てていける環境であってほしいと願わずにいられません。

 

このブログでは、精神疾患等に罹った方が幸せに生きるヒントを書いています。今後ともどうぞよろしくお願いします。