統合失調症のケアマネジャー

人生の大半をメンタルヘルスに費やしてきた男性の経験談

ディズニーアニメ、インサイドヘッドを鑑賞して。

こんにちは。pepeneeです。今日はちょっと気持ちを明るく、気楽な感じのテーマにしたいと思い、ディズニーアニメを取り上げてみました。

 

インサイドヘッドは、2015年に公開されたディズニーファンタジーアニメーションです。主人公ライリーの頭の中の様子を”ヨロコビ”や”カナシミ”などの擬人化されたキャラクターたちが脳の中でどのように振る舞い、現実の感情や行動に影響を表しているかを描く物語です。

 

この話の中で、ライリーの頭の中の中心にある、”特別な記憶”という場所があります。もちろん、ライリーが生まれてから11歳に至るまでの毎日の記憶も保存され、存在するのですが、それらは、定期的に必要か不必要かを脳内の処理係が決め、削除する場面もあります。この”特別な記憶”はライリーの現在の明るく素直な性格を形作っている”核”となるものです。物語の中では、”ホッケーが得意で成功する体験””コミュニケーションでちょっとふざけて相手とおふざけをする体験””友達とのかけがえのない仲良しの体験””悪いことをしたら、正直に話す体験””家族から愛され、大切にされる体験”この5つの特別な記憶がとても大切な人格の”核”になっています。

 

しかし、この特別な記憶が一つずつ失われていくハプニングが起きてしまいます。ライリーの転校に合わせて。最初の”おふざけの体験”を失ったライリーは冗談を言わなくなってしまいます。そして、親友との関係も悪くなり、”友情の体験”も失い、ライリーはどんどん孤独になっていきます。こんな具合に、”特別な記憶”を失うと、人はどんどん人格を破壊されてしまう事が描かれています。そのあと、”ホッケーでの成功体験”も失い、自信を失うことになります。人間の成長に伴う体験やそこにまつわる感情がいかに大切で、かけがえのないものであるかを描いていると思いました。

 

この、その人を形作る記憶は、一人だけでは作ることが出来ない。一人になり、自分自身を振り返ったりする行為は人格が完成した大人になった後に出来る行為だけれど、幼児期、児童期、青年期等、その人の土台となる記憶は、やはり穏やかで善意にあふれた人に囲まれた環境で良質な記憶をたくさん心の中に蓄えることで、”素直さ””正直さ””明るさ””思いやり”などその子の将来にわたってプラスになる特性を身につける事が出来るのだな、と思いました。

 

物語のラストに、今までの失った”大切な記憶”がよみがえるシーンがあります。しかし、それは失う前のものとはやはり完全に同じものではなく、一度失った記憶は完全には同じ状態で戻ることがありません。しかし、そこはさらに以前より良い記憶にしていこう!という前向きな気持ちが大切なのではないか・・・僕はそう思いました。僕はあまりポジティブな記憶を持っている方の人間ではないので、次の世代の美しい愛情あふれる穏やかな記憶を残してあげられるような人間の振る舞いが出来る”環境”になりたいな、と思います。

 

このブログでは、精神疾患等に罹った方が幸せに生きるヒントを書いています。これからもどうぞよろしくお願いします。