統合失調症のケアマネジャー

人生の大半をメンタルヘルスに費やしてきた男性の経験談

今までの自己否定?資格が必要な社会は不健全。

こんにちは。pepeneeです。今日は、自分の不利になることかもしれませんが、資格って思ったより有効じゃないし、そもそも資格がないとまともな仕事に就けない社会って不健全ではないか?そんな話をしていこうと思います。

 

①合格率10%のペーパーテストに受かった人だけが独占的に出来る仕事。

僕は、統合失調症だったこともあり、資格取得は生きるために必要な武器だと割り切って勉強してきました。しかし、僕のケアマネジャーの資格、一般の方からすると何屋さん?って感じですよね。しかも、このケアマネジャーの資格の仕事は営業から経理的要素、また本人の主体性を保護する目的で作られていますが、現実を見ると、もう一体営業なのか、利用者さんの権利擁護なのか、第一この二つの事実を両立すること自体が矛盾している資格なのです。この辺は、ちょっと複雑になるので今回は割愛します。まず、合格率が10%の資格のペーパーテストに合格する・・・という事は、ケアマネジャーの素質があるのではなく、ケアマネジャーの必要とする知識をいかに暗記し、解答用紙に素早く正解を見つけ、マークシートに書き込む能力が高いかだけを問われている訳です。そのペーパーテスト力が高い上位10%をケアマネ業務についてよい、と都道府県から認定される訳です。ちょっと変じゃないですか?まあ、資格試験すべてに言える事ですが。

 

②ペーパーテスト力が高い人だけが生き残る社会。

例えば、TOEICなどの資格試験は、その受けた時期、期間によって”この時、この人はこれだけの英語力があったよ”と認定します。しかし、一般の資格は、業務に必要な法律や内容の時代の変化を担保してくれません。あくまで、ある一時期、一定の知識を有していたことを証明する。くらいの証明書になるだけです。それなのに、一度合格した人はずっとその業務に就くことが出来る。そして、ペーパーテスト力が無い人は、どんなにケアマネジャーの素質が高くても、その業務にさえ就くことが出来ません。逆に、ペーパーテスト力だけが高い人は、たとえケアマネジャーの素質が全然なくてもケアマネジャーの業務に就けてしまうのです。

 

③そもそも、これだけ手に職、手に職、と資格を煽る社会は不健全。

その資格業務を判定する物差しが、ペーパーテストしか存在していない現在において、あまり公平性が無いのではないか、という僕の最近の考えと、もう一つ。そもそも資格を取得しないと安定した職業に就けない社会はかなり不健全ではないか、という現実があると感じます。最近では、そもそも働く事自体に価値を見出せない若者をよく見かけます。つまり、社会の歪みをここまでみんなで放置したツケが今若者たちを中心にNO!を突き付けているのです。一日8時間労働して、普通に結婚して、子供をもうける・・・こんな当たり前の生き方が出来ないなんて、異常ではないでしょうか?

 

④夢を描いて介護、福祉業界に入るも、そのブラックさにみなショックを受ける。

僕の介護業界を例にしましょう。介護業界のブラックさはすごいです。だいたい、夜勤で16時間以上労働する事って法律で認められているのでしょうか?しかも実質休憩なしです。そして、もちろん、お年寄りのおシモのお世話から、健康管理、認知症に罹った方の話し相手になることの大変さは経験したことのない人にはわからない辛さがあります。次から次に鳴るナースコールに入浴介助での肉体労働、ピルケースに薬を入れる時の正確性には毎回ドキドキします。この現実だけで、ほとんどの人が介護業界を去って行かれます。その介護業界に3年耐え続けた人(または専門学校で学んだ人)が介護福祉士という資格の受験資格を得る事が出来ます。合格率70%。その介護福祉士を取得して、さらに5年耐え続けた人(他の国家資格者含む医師、看護師等)がケアマネジャーの受験資格を得ることが出来、さらにその資格試験の合格率は10%。この低賃金で、責任が重く、苦しい介護業務から抜け出すためには、このまま介護業界を去るか、このケアマネジャー試験に受かるしか、生きていく術がない!そう考えて必死に勉強する方が大半です。しかし、ここで表れるのがペーパーテスト力という訳です。10人中1人しか合格する事の出来ない資格なのです。皆、現在のブラックな環境から何とかケアマネジャーの事務職に這い上がりたい!!そう願って試験を受ける人が多いとおもいます。(そうじゃない人ももちろんいます。)これ、一般企業の現場を介護現場と考えて、社内試験を介護福祉士やケアマネジャーに置き換えて考えると、その構造に似通ったものがありませんか?

 

⑤ペーパーテスト力がある、とは一般企業での出世力の事。

一般の企業での出世がもはや実力主義ではない事は明白でしょう。上司への気遣い、部下へのねぎらい、業績拡大・・・もはや、出世とは運でしかないかもしれません。そう考えると、介護業界は、実務経験とペーパーテスト力があれば、ポジションを取れるので、ある意味では公平かもしれません。しかし、出世してほしい人が出世できるシステムを作るほうがもっと公平ではないでしょうか。理不尽な労働環境に耐え続けるだけの時間を人生の大半にするのは、なんとも味気なく、悲しいです。

 

⑥今現在、大学入試、資格試験等、ペーパーテスト以外で能力を測る公平な物差しが無い。

このような理不尽な社会環境に異を唱え、自分の人生を自分で切り開くためにTOEICなどの英語力、また、プログラミングの勉強を行っている若い世代が増えました。非常にいい事だと思います。しかし、根本的に高齢化が進んでいる現在の日本社会の姿は、自分さえ何とかなればいい、といった保守的な人々が組織の中枢に入っており、しばらくその人々が退職するまで、現状が変わらない事が一番の問題点だと考えます。今回は、ちょっと過激な内容になってしまいましたが、現在の歪んだ労働環境に一石を投じたく書かせていただきました。

 

このブログは、精神疾患等に罹った方が幸せに生きるヒントを書いています。これからもどうぞよろしくお願いします。