統合失調症のケアマネジャー

人生の大半をメンタルヘルスに費やしてきた男性の経験談

精神疾患を授かるという事。

こんにちは。pepeneeです。今日は、統合失調症を患う、という観点ではなく、統合失調症を授かる、という視点を持てたら・・・という形で書いていきたいと思います。

 

僕は、今となってはこの統合失調症という難病に罹った事がプレゼントだったように感じます。今も疲れやすい体と心に人一倍メンテナンスをしていますが、毎日の服薬とたっぷりの睡眠で、ほぼ普通の人と変わらない活動が出来ている感じがします。28歳の時に発病して、そこから仕事をすることで社会復帰を目指して奮闘した今までの日々。そのすべてが僕の成長に繋がっていると思います。正社員でたくさん働いてきた中で、普通の人の日常の苦労も、統合失調症はじめ、精神疾患に罹った方の苦しみも、その両方が理解できる自分になれたなあ・・・と感じています。

 

『若い時の苦労は買ってでもしろ』は本当ですね。なぜなら、年を追うごとに体力、気力が失われていく現実があります。ですから、挑戦すること、やりたいことをやるリスクを取るのは、失うものの少ない若い時に、情熱に任せてたくさん失敗を繰り返すことが人生を豊かにするのではないかと、今になって思います。

 

今、少し人生の小休止をしているところですが、次はどんなことをして後半の人生を生きてみようかと楽しみです。若い時にたくさん挑戦し、失敗を繰り返してきたおかげで、タフな精神力と、尋常じゃない経験値を得る事が出来ました。不器用なところがさらに不器用なのは、統合失調症の認知機能障害によるところも大きいですが、こつこつ毎日継続することで、自分だけの武器を育てる事で克服してきました。そして、他者の為に貢献することを追求してきたつもりです。

 

自分が救われたいから、他者を助けようとするー。多分、その言葉は本当でしょう。本当の優しさはわかりやすい優しさばかりだとは言えないからです。冷たいかもしれませんが、今の目の前に起きる問題は、その人だけがクリアしなければならない今回の人生の宿題の様なもの。だから、愛を持って人に接すること以外、代わりにその人の問題に関わってはいけない事を、長い時間かかって学びました。

 

この精神疾患という病を通して、闘病する事、病を抱えながら、それを伏せて働き続ける事。こうしたひとつひとつの経験が、私の大切な学びになり、大切な成長に繋がりました。今、一点の曇りもなく言える事は、統合失調症という病を天から授かってよかったーという事です。何気ない日常に感謝できる心にまで成長でき、人の痛みがわかるようになり、また、必要なアドバイスや本当の助けをすることが出来るようになれた事は本当に良かったと心の底から思います。

 

精神疾患に罹る人が増える社会の構造は、もちろん正しい方向、健全な方向に変えていかなければいけません。しかし、そのことと精神疾患に罹ることで見える世界も、またたくさんあるのです。失うものがあれば、また得るものもあるー。心を壊したことで、心の耐久性や、適度の負荷がどれくらいか考えるきっかけになり、自分の過去を否が応でも向き合わざるを得ないかもしれません。しかし、その自分としっかり向き合える時間をしっかり設ける事、それ自体が、とても貴重なものです。そこから、自分の本当にやらなければならない事、自分の本当にやりたいことがわかってくるきっかけになるからです。

 

今、世界中で起きている多様性の問題は、自分を大切にしながら、余裕をもって自分と違う人々に愛をもって寄り添う事だと思います。完全には分かり合えないけれど、少しづつ、お互いが助け合える関係づくりを構築できる、そんな日本にしていきたいものです。

 

このブログは、精神疾患等に罹った方が幸せに生きるヒントを書いています。これからもどうぞよろしくお願いします。