統合失調症のケアマネジャー

人生の大半をメンタルヘルスに費やしてきた男性の経験談

労働をするという事。

こんにちは。pepneeです。今日は、労働というテーマで書いていきたいと思います。

 

憲法の国民の義務に書かれる三大義務。

日本人には、国の最高法規である憲法に三つの義務が記載されています。納税の義務、教育の義務、そして、勤労の義務(労働の義務)です。つまり、家庭を持ち、子供をもうけたならその児童に対して教育を受けさせる義務、そして、なんらかの形で社会に労働を提供し、その得た金銭で税金を納め、国の財政を潤さなくてはならない、という基本的な考え方を記載されています。

 

②8か月セミリタイアして感じたこと。

さて、僕自身は配偶者がおらず、子供も設けていない為、教育の義務はありません。そして、統合失調症という大きな難病に罹患した為、障害等級2級に認定され、国民年金と厚生年金から障害年金がおり、わずかながら保険金が下りています。そして、今まで必死に働いてきた貯金で現在、少し急ぎすぎた人生の苦闘と疲労を癒すため、少しばかりセミリタイアのような生活をしています。もちろん、去年までの収入がそれなりにあったので、現在では、住民税10万円以上、国民健康保険も毎月2万3千円以上支払い、稼いだ分の納税を今年しっかり支払っている最中です。つまり、納税の義務はきっちり課され、納付しているという訳です。法律上、障害者という定義に当てはまりますので、勤労の義務は統合失調症罹患後、免除されているのですが、いままで、”社会復帰しなくては!!”という思いのみの強い意志でなんとか9年以上歯を食いしばって働いていたわけです。しかし、自分の働く信念が”困っている人を助ける”という色合いが強かったので、不思議とその強い願いは現実となり、自らの周囲は”困っている人”ばかりになってしまい、また自分がその”困っている人”を助けることが根本的には出来ないことに気づき、自分の今までの信じていた”困っている人を助ける”という信念では、誰も幸せになれない事に気づきました。困っている人に気づきの芽を与える事は出来るのですが、結局、その困っている事を解決するのは、本人しかいない事に気づいたのです。自分の人生は自分が決める。つまり、困っている他人もその本人が解決しないと、本人の為にもならない。そういう結論に至ってからは、自分の信念の見直しが必要になりました。強い願いは良くも悪くも現実化する。ならば、自分も他人も幸せに生きる信念やビジョンを持たなくては、自分も他人も幸せにはなれない事に気づいたのです。

 

③今までの福祉以外の道を模索する旅。

そういったわけで、今年の3月31日をもって一旦前職の会社を正社員から非正規雇用に変え、今までの生き方を問い直す穏やかな時間を持つようにしました。なお、障害者手帳二級を取得していると、雇用保険に入っていた期間が(僕の場合、フルタイム)一年以上ある場合、失業手当が300日支払われます。おおよそ10か月です。この日本という国は障害に対して非常に手厚い保護を用意してくれている国だということを身に染みて感じたことを覚えています。なお、失業手当をもらうには、退職した会社に離職票という書類を発行してもらう必要がありますので、離職した時には必ずもらうようにしてください。さて、それから、このブログをまず始めてみました。また、資格は非常に社会生活に有利に働くことを身に染みて感じていたので、日商簿記を3級から学びなおし、2級に繋げる学習を日々行い、その延長線上で中小企業診断士の学習も同時並行に行っていきました。また、毎朝ランニングとウォーキングを日課にし、心身の健康保持にも気を配りました。そして、福祉と非常に関連性の高い登録販売者資格の受験勉強も始めました。そして、自分が大好きだったイラストを本格的に描いてみたい!と思い、第二の人生は自分のやりたいことをやろうと考え、思い切ってCLIP STUDIO PAINTと液晶タブレットを購入し、イラストにも挑戦しました。まさに、次の生きる道を模索する毎日だといえるでしょう。

 

④仕事を通して得られる喜び。

このような模索の日々を続けていく中で、やはり、大きかったのが中小企業診断士の受験勉強です。僕は福祉以外の仕事はあまり知らなかったのですが、中小企業診断士を学習する上で、様々な職種を学習することになります。マーケティングや企画、また製造業のマネジメントなど、挙げればきりがないのですが、福祉しか深い経験のない僕からすると、”こんな仕事があったのか!”と驚きの毎日でした。しかし、マーケティング職や、製造業などのマネジメント等は、正直、人との関わりが希薄だな、と感じてしまう自分がいました。今までの福祉職はどれだけ人と触れ合い、人と喜怒哀楽を共にしてきた仕事かという事を再認識させられました。それが良い事か悪い事かはさておき、福祉職は対人関係が嫌いな人でなければ、こちらの良心、善意がダイレクトに利用者様に帰ってきて”ありがとう”や嬉しい感情の共有に行きつくことの多い職種だな、と感じることが出来ました。もちろん、人と人の関係が密だからこそ苦しい場面がある訳ですが。中小企業診断士の勉強は、多職種を幅広く扱う学問であるがゆえ、他の職種の喜びは数字を追い求めたり、自分が作ったマネジメントを現場に応用することで、業務を効率化出来たりすることの達成感があったりするのかな、とぼんやり感じています。しかし、福祉の様に、人と人のダイレクトな感情の喜びは、あまりない様に感じてきました。そもそも、人にダイレクトに喜ばれて、しかもお金をもらえる仕事って思ったより少ないのではないか。そう感じるようになりました。介護士、看護師、理学療法士など、利用者様、患者様と密に関わる仕事は、意外に少ないかもしれない、仕事の喜びは自分の好きで向いている業務で熱中できる分野が最も得られやすいと思います。だから、まず、自らが何に向いていて、何が好きで、何に情熱を傾けられるかだと思います。それを見つけるには、トライアルアンドエラーを繰り返す必要があると思います。つまり、ある程度転職する必要もあると思います。そして、まずは目の前の仕事に集中する覚悟も必要だと思います。時間がたってみて、”この仕事は意外に向いているのかも”と感じる仕事もあるからです。労働という生涯の大半を占める活動を、やはり自分の楽しめる、情熱を注げる分野にささげたいものです。僕の前半の人生は、福祉、介護の人とダイレクトに関わり、喜怒哀楽を共にしてきた人生でした。それは、このセミリタイアでの期間でとりわけ他の職種を勉強した、中小企業診断士の資格試験で初めて客観的にみる事の出来る事だった。そして、前半の人生を見直して、本当にこの職種に就いて良かったと思えるのです。自分の人生の情熱を傾けられる仕事だったと。

 

⑤最近の社会情勢。

しかし、このように自分の人生の情熱を傾ける仕事を探したり、打ち込んだりするのではなく、ただ、生活をするためだけの労働は、人を不幸にするのではないか、そう感じています。最近では、行き過ぎた長時間労働の是正で、働き方改革が叫ばれていますが、そもそも情熱を持てない仕事だと、ストレスがかかります。自分の主体性が仕事に向いていかない為です。毎日のご飯を食べる為だけの仕事では、(ライスワーク)どうしても身が入りませんし、仕事にやりがいや本当の楽しさを見出すことも出来にくいでしょう。そんな中、職場の変な空気の読み合いで、上司より先に帰ってはいけない、などと、謎の闇ルールが跋扈したり、人間関係で波風を起こさない様にする事を一番に考えて仕事を進めるなんていうのはもってのほかだと思います。生産性も下がるし、その上、長時間労働も増える。最近のニュースで、パワハラで自殺まで追い込まれた新入社員が挙げられていましたが、今の日本社会は、”自分の身を守る”事だけを考えて、他人を無意識に追い込む様な環境なのではないでしょうか。ライスワークをいかに長年続けるかが、嫌な事をいかに長年続けるかが価値がある、という非常に害悪のある価値観が日本社会を覆っているような気がしてなりません。だから、ライスワークをしてきた人が上司になり、年齢を重ねてしまっている為、いまさら他の会社に転職してもどこにも通用しない、と思って今の会社にしがみつく人が多いのではないでしょうか。しかし、その考え方では、もはや通用しない時代にあるのは目に見えています。会社の平均寿命はどんどんみじかくなり、もはや終身雇用は崩壊しています。自分の専門性やキャリア構築は、転職も含め、自分の本当に情熱を傾けられるライフワークを見つける事にあると僕は考えています。日本社会の良い意味での流動性を上げ、本当に自分が情熱を傾けられる仕事(ライフワーク)を個人単位で見つけ出す事で日本社会は現在の歪な社会構造を変えていく事が出来るのではないかと考えます。個人が皆、ライフワークを持てる社会に移行する時期に来ている。世界のグローバルスタンダードでは、もうそのことは当たり前になっています。

 

このブログは、精神疾患等に罹った方が幸せに生きるヒントを書いています。これからもどうぞよろしくお願いします。