統合失調症のケアマネジャー

人生の大半をメンタルヘルスに費やしてきた男性の経験談

統合失調症と付き合いながら働く3。

こんにちは。pepeneです。今日は、僕が三回目の転職先でお世話になった高齢者のグループホームでの勤務経験をお話しして、統合失調症を抱えながら高齢者施設での勤務がどのようなものになるのか、参考になればと思い、書いていきます。

 

高齢者のグループホームとは、認知症共同生活介護と呼ばれ、認知症(昔の痴ほう症の事)に罹られたご高齢の利用者様とアットホームな穏やかな家庭的な雰囲気で終の棲家としてご利用いただける介護保険制度の中の入居施設です。ご家族からは認知症で息子の顔も名前もわからない状態になった親を預ける場所として自身の生活の負担軽減(介護ではレスパイトと言います。)を図る目的で、また認知症になったご利用者様の安心で安全な環境を提供し、本人にとって喜びが多い不便の少ない質の高い生活を最後まで送っていただける施設として存在しています。

 

高齢者グループホームでは、基本的に早番、日勤、遅番、そして、16時間勤務する夜勤が存在します。結論から申し上げると、グループホームでの勤務は体力のある年代(僕の場合では30代)なら多少肉体的にも精神的にも負担がありますが、総じて利用者様との触れ合いがとても多く、認知症の方々をお相手するので延々とお話しをすることもないので、穏やかな時間をお互いに共有でき、信頼関係が継続しやすく精神疾患のあるスタッフとしてもセーフティベースを作りやすく、肌と肌が触れ合う機会も多く、脳内の幸せホルモンオキシトシンが分泌しやすくなる環境になりやすかったです。安心してお仕事が出来た、そんな感想です。

 

しかし、やはり夜勤が月に4~6回ありましたので(夜勤手当が6000円だったと記憶しています。)夜勤が出来る体力は求められます。夜勤は17時から出勤し、入居者様のお部屋のカーテンを閉めたりベッドメイクをしたり、遅番が作った(一フロア9名の認知症ご利用者様なので、職員を合わせて11名の料理をキッチンで作ります。人数が少なく、個別対応が出来る点がグループホームの良いところです。)料理を全員で穏やかに食べ、その後、ゆっくりとテレビを見たりくつろぎます。その間、食後の服薬がある利用者様は服薬介助をします。行為介助でパジャマに着替えるのを手伝ったりもします。食後の入れ歯の管理や歯磨きも見守り、介助します。21時消灯、そこから介護記録を書きながらフロアの掃除、翌日のお薬箱(ピルケースといいます。)に間違いなく各9人分のお薬をセットしたり深夜に起きてくる利用者様の不安のお話し相手になったり排泄記録に何時に何回行ったか記録したり、様々な業務をします。僕のいた施設では仮眠休憩がありませんでした。夜勤が一人でしたからね。(隣のフロアにはもう一人夜勤がいますが。)夜更けの三時ごろ朝食づくりを始めます。朝6時ごろから各居室に行って起床介助を行い、おはようのご挨拶。フロアに皆さんを集めたら7時に早番さんがやってくるのでそのタイミングで”いただきます”をします。その後、各居室を整え、失禁しているシーツがあれば都度洗濯し、9時出勤の日勤に申し送り(情報伝達です。)をして、深夜での異常があれば伝えます。(深夜、まったく寝られなかった利用者様は、昼寝するかも、とかですね。)そして、だいたい9時半ごろ上がります。合計16時間労働。基本的に二日分働いた計算になるので、その上がった日は夜勤明けで翌日は基本休みです。手当も付くので、流れが身につけば、夜勤の方が嬉しいというスタッフもいました。

 

夜勤を基本に書いてみましたが、基本的には体力はとても大切です。しかし、介護福祉士として、プロとしてのスキルや技術はかなり上達する環境にもなります。お薬の知識、料理の腕前、顔色、バイタルのチェック、水分量の把握、排せつ物の回数や色、形、肌の色、発赤の発見。看護師との協力作業も多く、介護に必要な医療知識はこのグループホームで一通り学んだと言っていいです。また、生活を少人数で共有する環境から、セーフティベースが形成されやすく、精神にも幸せで穏やかな影響を及ぼしてくれます。介護福祉士なら、一度は若いうちに経験されるのも良いかもしれません。また、そういった経験、技術、知識は、次のキャリア、介護支援専門員(ケアマネジャー)の試験内容(医療分野)に直結するため、グループホーム勤務時代は一番空いた時間に医療知識を学んだ事が役に立ったと思います。

 

とはいえ、もともとお薬を飲まないと眠れなくなったり、精神不安定になるリスクがある統合失調症ですので、僕の場合も夜勤の後はすぐに眠剤抗精神病薬を服用し、夕方までぐっすり寝ていたのを思い出します。そして、夜勤の回数の多さは若さや体力など個人差が大きいので、上司から夜勤明けの翌日夜勤を頼まれても、上手に断ったほうが無難だとおもいます。しかし、グループホームの雰囲気は穏やかで家庭的であるため、精神疾患等がある方でも精神安定がしやすい環境であるとも思います。

 

もちろん、このグループホーム勤務も介護支援専門員等の次の資格の受験資格に必要な実務経験に加算されます。パートタイムで、数時間働くだけでも一日とカウントされます。自分に合ったやりやすい方法でチャレンジしてみてもいいかもしれません。しかし、初めに書いたように、統合失調症はあがむの法則が大前提ですので、焦らない、頑張らない、無理をしない、を一番に考えて職業選びをしてみてくださいね。

 

このブログでは、精神疾患等に罹った方が幸せに生きるヒントを書いています。今後ともどうぞよろしくお願いします。