統合失調症のケアマネジャー

人生の大半をメンタルヘルスに費やしてきた男性の経験談

統合失調症と付き合いながら働く4。

こんにちは。pepeneeです。前回の認知症グループホームの勤務は、施設系の職場の中でも比較的穏やかな、かつマイペースで働きやすい場所です。しかし、他の介護老人施設(特別養護老人施設や介護老人保健施設等)では、場所にはよりますが、ご利用者様の数も多く、介護疲れで殺伐としたスタッフの人間関係も多々あることもありますので職場選びは見学も含めて慎重に行ってください。

 

さて、今回の統合失調症等の精神疾患を持ちながら働くシリーズでは、いよいよ障碍者、障害児の介助、療育の分野に入っていこうと思います。引き続き、僕の経験談で書いていきたいと思います。まず、グループホームを1年半程で退職した僕は、縁があって日中一時支援を行うNPO法人に雇われることになりました。そこでは64歳以下の何らかの障害がある方の日中のお預かりサービスです。障碍者のデイサービスをイメージしていただけたらいいかな、と思います。この日中一時支援、施設によっては就学前の発達に障害の傾向がある児童等も利用されたりします。

 

たとえば、一番わかりやすい例ではASD自閉症スペクトラム障害)であったり、アスペルガー症候群ADHDの衝動型、不注意型、知的障害など昨今話題になりがちないわゆる発達障害(分類が難しい場合は広汎性発達障害と診断がおります。)を抱えている児童もお預かりしています。

 

ASDの児童では、自分の世界に閉じこもりっきりでコミュニケーションが難しい子がいたり、理論的で論理的な話が得意で、一方的に自分の思ったことを話し続ける傾向があるアスペルガー症候群の傾向がある子、衝動的に危険な行動も後先考えずに実行に移すといわれるADHDの衝動型(いわゆるジャイアン型と呼ばれています。)。大人しくてちょっとぼーっとしていて抜けているADHDの不注意型(いわゆるのび太型。)。そして純粋に遺伝的に知的な力が一般の方より低めな知的障害の子。そして、それらが複合的に重なる傾向のある子も多数通ってきます。

 

しかし、そういった発達障害を含む、障害を持つ方々をお預かりする機会を得た僕は、そういった障害や発達障害を持つ方々の社会的イメージを打ち破る経験をしました。彼らは発達に凹凸があるだけで、ものすごく素直で、家庭環境や社会の歪み、誤ったパラダイムにいつも違和感を感じ生きづらさを感じてはいますが例えるなら曇りのない磨かれた鏡のような存在であることが多いのです。もし、僕が社会での歪んだパラダイムの一つ、”大人は勉強が出来なくては恥ずかしい”という偏見を持っていたら、その歪みはすぐ児童たちに鏡のように跳ね返ってきて一度しか見たことがないスマートフォンを勉強もせずにすぐ使いこなしたり、”努力を重ねて立派な社会人であらねばならない”と毎日勉強ばかりして日中一時支援に行って児童たちに会うと、彼ら彼女らの自然体で朗らかな笑顔に僕は胸を打たれて、そして、児童たちはみんなで仲良くおもちゃを分け合ってお互いが共調し合うように微笑ましく穏やかに時間を過ごします。そんな姿を見て、努力して自分を高めることより、相手を思いやり、自分らしくみんなと楽しく過ごすことの方がずっと生きる上で大切な事だな、と気づかされたりしました。

 

障害や発達障害のある児童は、曇りのない鏡。もし、問題が起きるなら、それは僕の心の中に今まで刷り込まれてきたパラダイムの歪みがあり、それを修正するために、問題として顕在化させてくれているんだ。・・・児童たちの楽しい(体力は多大にひつようですが。)時間はそんな結論を僕に突き付けてくるのでした。そして、その児童たちのありのままの堂々とした自分らしくある姿に、いつも自分を押し殺して、歪んだ社会に合わせてきて生きてきた僕自身を反省させられるのでした。

 

このブログでは、精神疾患等に罹った方が幸せに生きていくヒントを書いています。これからもどうぞよろしくお願いします。