統合失調症のケアマネジャー

人生の大半をメンタルヘルスに費やしてきた男性の経験談

サンテグジュペリの星の王子様を読んで。

こんにちは。pepeneeです。今日は、読書感想文になります。皆さんは、サンテグジュペリの星の王子様という有名な本をご存じでしょうか。今日はこの歴史的名作に自分なりの考察を入れてみたいと思います。

 

王子様は小さな星の主人でした。星は一周するのにほとんど時間がかからないくらい。王子様は独りぼっちでしたが、やがて、星の地に埋まっていた花の種が一つ芽吹き、一凛の綺麗な花が咲きました。王子様は感動します。”なんて美しい花なんだ!”王子様はその花のお世話をかいがいしく続けます。水をたっぷりとあげたり、夜は風を直接花に当てない様についたてをしたり。しかし、花は少しプライドが高いところがありました。それが理由で王子様は星を出て、旅に出る事にしたのです。

 

様々な星をめぐるうち、あるきつねと出会い、この世の一番大切な事を教わります。それは”絆を結ぶこと”誰かを思い、誰かのために行動しそのかけた時間こそ大切な絆になり、かけがえのないものになる。そして、なにか一つでも絆を結ぶ事が出来れば、絆を結んだかけがえのない存在がいる世界そのものも美しく光り輝くものに変わる。この夜空の彼方に王子様が結ぼうとした絆があったあの花の、あの故郷の星があることで、この星空が輝いて見えるように。そうして、王子様は何が大切なのかわかって自分の星に帰っていこうとする・・・

 

そんなあらすじです。僕はこの話を読んだとき、素直に感動しました。どんな変哲のないバラでも、そのバラと絆を結ぶための関係を築く手間暇と時間こそが大切で、その時間こそが絆という世界唯一の”愛”を与えてくれる。その愛が一つあれば、世界はその愛があることで輝いて見える。

 

では、生まれながらに過酷な環境に生まれた花や、王子様はどうでしょう。児童虐待があった環境で育つバラや、お世話のわからない王子様。きっと絆の結び方がわからないだろうな。と思いました。絆そのものが痛くて、苦しくて、でもかけがえのない”愛”であることに変わりなく、そのはざまで激しく揺れて、最後には自己否定で消えてしまいたいと不適切なお世話を受けて絆を作られた花は思うでしょう。自分がいるから愛する人が僕を傷つける、自分の存在自体がいけないから、絆が歪んでしまう。

 

生まれながらに過酷な環境に生まれた花は、この世で一番大切な絆を疑い、断ち切ることでしか新しい扉を開けることは出来ない。そして、世界を旅し、過酷な花は、健全な絆の結び方を学んで、新たな花を見つけ、新しい適切なお世話をし、新しい絆を築いていくことが必要になってくるんだな。それが、恐ろしく遠いかけがえのない”愛”にたどり着く道なんだろうな。そう思いました。

 

王子様は、とても恵まれた花との出会いだったと思います。でも、それでも旅に出た。人は足元にある一番大切な絆にかける時間そのものに生きる価値があることになかなか気づかない。だから、この”星の王子様”という作品が普遍的な価値を持ち、世代を超えて読み継がれていくのだな、と感じました。僕は、その当たり前の絆にかかった時間が不適切で、苦しみを生む元だったことが、世界を旅する理由だった。そして、新しいお世話の仕方を覚え、新しい花を見つけ、絆を築いていく事の大切さは普通の人と何ら変わらない。スタートでかなり出遅れた僕も、絆を作ることに早い、遅いはないかもしれない。そして、虐待の連鎖を断ち切るための旅は、自分を大きく成長させてくれたなあ。とちょっと自己満足に浸ったりするわけです。

 

このブログでは、精神疾患等に罹った方が幸せに生きる方法を書いています。今後ともどうぞよろしくお願いします。