統合失調症のケアマネジャー

人生の大半をメンタルヘルスに費やしてきた男性の経験談

嘘はいけないことか。

こんにちは。pepeneeです。今日は、嘘にテーマを絞って書いていきたいと思います。

 

①嘘は生きていく上でどうしても必要?

僕は、統合失調症という難病に罹患してから会社の勤め先に病気の事を話さない”クローズ”という働き方をしてきました。嘘が罪であり、悪であるなら、僕はこの10年以上社会に対して嘘をつき続けてきたことになります。しかしながら、統合失調症という疾患を抱えている事を勤め先に公開していたら、ほとんど正社員の採用は無かったでしょう。そのくらいに社会にとって統合失調症という病名は良くない印象を持っている事実があります。僕は35歳から何とか社会復帰したいという思い一つで統合失調症であることを伏せて働いてきました。(今は休んでいます。)精神疾患等、何らかの障害を抱えていらっしゃる方も、障害に対する社会の偏見の目は凄まじいものがあると感じておられる方も多いのではないでしょうか。

 

②私たちは、日常無意識のうちに数多くの嘘をついている。

そもそも、僕の場合は統合失調症をカミングアウト出来ず、健常者としてある意味偽って働いてきました。しかし、社会で全く嘘をつくことなく生きていく事は本当に可能でしょうか?嘘といっても、他者を傷つけるような悪意のある嘘は論外として、人は何らか日常生活を営む上で嘘をつかざるを得ない環境に身を置いているのではないでしょうか。今日、僕は70歳を超えた寝たきりの母に、また嘘をついてしまいました。老い先短い母は、僕が統合失調症を乗り越え、克服してまだ正社員で働いていると思っています。母の”どうや、仕事は?”という言葉に僕は”うん、特に変わりはないよ”と会社を離職していることを切り出せませんでした。母くらいの年代は、転職や定職に就いている事はとても大きい関心ごとで息子が病気を乗り越え、正社員で働いている事を誇りに思っているのです。僕は、寝たきりの母の心に余計な心配や不安を与えたくなくて嘘をついています。確かに嘘はつかないに越したことはないのでしょう。正直に生きたほうが、自分の精神衛生上もとても楽に生きられるのだと思います。しかし、すべて嘘をつかないですむほど真正直に生きられるほど、僕は完璧に生きてこれたわけではありません。親に言えない事も、一つくらい抱えて生きています。

 

③たった一つの僕のルール。

社会の中で生きていくうえで、まったく真正直に生きていける人は多くはいないでしょう。なんらかで嘘とまで言わなくても、お茶を濁したり、真実ばかり話すことが社会生活上正解だとは限らないと思います。社交上の相手に、容姿や収入に対して思った事を素直に話すことは、社会通念上モラルに反する事はあります。社会で生きていく以上、まったく完全に嘘を排除することは難しいのです。しかし、今までの社会生活、所属するコミュニティーにおいて、僕が絶対に守ろうと思っている事が一つだけあります。それは、”自分の心の奥の気持ちにだけは嘘をつかない”という事です。周囲に合わせて、自分を犠牲にしてまで偽りの自分で生きてきたことで統合失調症に罹患した僕が、大きな代償と引き換えにたどり着いた僕の真理。自分の気持ちに嘘をついてまで、大切にする人間関係など存在しないと確信しています。僕は、上記で母に会社を辞めている現状をあえて話していません。もし僕が再就職する事になっても、統合失調症のことは”クローズ”にして働くでしょう。それは、母に心配をかけない為であり、また、社会の偏見から身を守るためにつく嘘であったりします。しかし、自分の本当の気持ちー自分が心から愛する事、自分が本当にやりたい事ーこの事には絶対に嘘をつかないで生きています。今後も、この”自分の心に嘘をつかない”事だけは貫いて生きていくでしょう。この自分の気持ちに嘘をつく事が、長い時間かけて人を病気に至らしめていく原因だと僕は確信しています。

 

③結果が出れば、すべて円満になる。

自分の気持ちに嘘をつくなんて当たり前。そう感じている方も少なくないと思います。しかし、自分の気持ちに嘘をついてまで継続すべき人間関係などそれこそ偽りの人間関係だと僕は思います。上記の様に、僕は年おいた母に嘘をついていますが、ある意味、この動機の60%は母が望む息子を守るための嘘と言えるでしょう。つまり、自分の気持ちではなく、母の価値観の為に嘘を言っていると思います。僕は、他人の為に生きる人生をずっと生きてきました。両親の価値観に知らず知らずのうちに合わせて生きていき、自分の人生ではなく、両親の望む人生を歩んできました。しかし、その代償は統合失調症という原因と結果の法則通り、難関辛苦が降りかかってきました。自分に嘘をつきすぎたのです。周囲の空気に敏感になりすぎ、自分の本心を無視し、周囲のよくわからない無責任な価値観に合わせすぎたのです。だから、僕はこれからは”自分の本当の気持ち”だけには嘘をつかない様に生きていきたいのです。そして、そのような状態が許されるだけの実績も作ってきた自負があります。上記の母に対する嘘も、母の価値観を尊重しつつ、自分の人生の責任と決断は、自分にある様にした結果の嘘です。両親は僕が介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格が取得できた事で、残念ながら嘘のように僕に対しての接し方が変わりました。社会も同じです。たくさんの有用な資格を取得した僕に対して、職業安定所の職員の接し方はガラッと変わりました。今では、職業安定所には統合失調症のことはオープンにしています。それでも資格の力は凄まじく、とても親身に優しく接してくれています。”病気を抱えながら、ここまでよく頑張りましたね”そんなメッセージを受け取ることが出来ます。まさに結果が出れば、すべての失敗も経験という名の資産に変わるのだと確信しています。

 

④やっていて楽しい事は、だいたい得意な事。

僕は、このブログを書くことや、デジタルイラストを描くこと、また、有酸素運動無酸素運動を行うこと、資格や英語を勉強すること、本を読むことは楽しいです。人より不器用で要領の悪い僕ですが、これらを継続することは全く苦になりません。なので、これらの事は今後も継続していく事でしょう。その中で、社会的に有利に働いたのが、有酸素運動無酸素運動で培った体力や、資格勉強で培った資格合格だと思います。あきらめず、自分のやっていて楽しい事、やっていて苦にならない事は、継続することが出来ます。そうすれば、ある日突然、家族や社会から明らかに以前より丁重に扱われる瞬間が訪れます。そうなればしめたものです。自分のやりたいこととは、自分の内側にある自分の本当に素直な気持ちであり、その大切な芽を足蹴にする人間関係なら、嘘をついてでも、決別してかまわないと思います。やがて、自分のやりたいことで結果を出し、その以前の人間関係の人々と再会したなら、きっと以前とは全く違った関係が出来上がるでしょう。あなたがやっていて楽しい事は他者から観て努力だと映り、丁重に扱ってくれるでしょう。今、精神的に苦しくて、閉じこもりがちな方々に伝えたいことがあるとしたなら、決して孤独を恐れず、自分の内側にあるやりたいことを信じて行動し続けてみてほしいー。そして、疲れ果てているならまず、勇気をもって”自分を休ませる”ことから始めてみてほしいー。そして、自分に嘘をついてこなかったか、自分を押し殺してこなかったか、しっかり過去の振り返りをしてほしいー。同じ過ちを犯さない限り、人は必ず前進し、成長し、幸福な人生を送れるようになるのだから、生きる事を諦めないでほしいー。そのことをお伝えして、筆をおきたいと思います。

 

このブログでは、精神疾患等に罹った方が幸せに生きるヒントを書いています。これからもどうぞよろしくお願いします。