統合失調症のケアマネジャー

人生の大半をメンタルヘルスに費やしてきた男性の経験談

日本社会の歪み~その中で生きると決める~

こんにちは。pepeneeです。今日は、この30年で日本社会が歪みに歪みきっている現実と、その社会の歪みの中で、どのように個人が生きていったらよいかを模索してみたいと思います。

 

①日本社会の黄金期、1980年代~1990年。

日本は、戦後、高度経済成長の中、ずっと右肩上がりを続けていました。海外からも、”ジャパンアズナンバーワン”と評され、経済大国として世界にその名をとどろかせていました。その中、日本人も、バブル経済がはじけるまで、企業に勤めて、伴侶を持ち、マイホームを買って子供を二人ほどもうける。そして、定年退職まで同じ企業に勤め年功序列、終身雇用の中で毎日勤務さえしていれば、60歳からは多額の退職金と国からの国民年金と厚生年金で悠々自適な老後が約束されていると、日本人全員が思っていました。しかし、その前提が、日本経済バブルの崩壊によって崩れてしまったのです。

 

②今や、日本のサラリーマンは世界一会社を恨んでいる。

経済が右肩上がりで、成長が約束されていれば、35年の長期ローンを組んでもマイホームを買う事が社会人の最低限度の当たり前とされても問題はありません。だから、誰もがマイホームを当たり前のように購入していたのです。しかし、とうとうバブルが弾け、経済が停滞するようになります。そして、その長い停滞の時代は、現在の令和に至っても抜け出ることなく、”失われた30年”と呼ばれています。その中で、今の50歳から上の世代は、バブル入社組です。自分たちが会社に入社するときは、右肩上がりの給料と、手厚い手当、家族を養う事の当然さ、35年ローンでマイホームを買う事が社会人の当然とされた人々です。しかし、その現状はこの"失われた30年”でじわりじわりと変化し、とうとう45歳以上のリストラが行われ、社会保障費などの給料天引きは高騰し、受け取れるはずだった年金は65歳以降に延ばされ、また受け取れる年金額も大幅に減らされています。日本企業はデジタルトランスフォーメーションを掛け声に、今までの50歳以上が慣れ親しんだ自分たちの会社のシステム(レガシーシステムと呼びます。)を廃止し、もっと効率の良い業務の効率化、合理化、デジタル化を容赦なく推し進めてきています。そう、50歳以上の人々は、”約束が違う!!”と心の底で叫んでいるのです。今更新しい職場に転職しようにも難しい状況。会社からは高給取りの仕事が出来ないおじさんとみられ、今までの仕事のやり方を否定され、思う事は、自分の会社を恨むことに終始する現状があちらこちらに見られます。

 

精神疾患に罹る真面目な人たち。

そのようなフラストレーションを抱いた50歳以上の人たちは、会社では何らかの上司の存在であることが多いです。原因は、日本経済の崩壊にあるのですが、そのしわ寄せは50歳以上の人たちの頭に思い描いていた自分の輝かしい将来像を見事に裏切ってきた会社に寄せられます。当然、50歳以上の人たちは、日本の仕事のルールの変更についていけません。日本社会も、世界基準のグローバルスタンダードに変化していかなければ、生き残っていく事が出来ません。そのような出口のない上司たちは何をするでしょうか。そう、真面目な素直さを持った自分の部下を自分の価値観に照らし合わせ、その価値観にはみ出す都度、注意するようになります。自分の会社での居場所や、自分の存在意義を示すために、自分が自分である為に、自分とは異なるものを攻撃し、排除する行動に出るのです。それが、僕が考えるに、今の日本社会の息苦しさに繋がり、セクハラ、パワハラ問題になって噴出しているのだと考えます。こうして、真面目で素直な社員程、セクハラ、パワハラの標的になってしまうのです。陰湿な日本の負の側面、集団での立ち位置がいじめられる立ち位置になった人に、手を差し伸べる人はほとんどいません。なぜなら、いじめられる人の立場に身を寄せると、自分までいじめられてしまうからです。こうして、何の罪もない真面目で素直な人は、”自分が悪いんだ”と勘違いして、精神疾患に罹るまで追い詰められていきます。

 

精神疾患は自分の心が弱いせいではない。

このように、日本の社会構造が歪みを抱え、50歳以上の人々がどのようにフラストレーションを抱えて生きているかを論理的に考えていけば、彼らも日本経済崩壊の犠牲者だとみることが出来ます。その矛先が、真面目で素直で、無垢だったあなたに向けられたケースがかなりの数見受けられるでしょう。まずは、精神疾患に罹った方は、何の心配もせず、休んでください。攻撃性と、社会の歪みの中で狂った怒りが、あなたという無垢な存在を飲み込んだ悲しい現実です。しかし、精神疾患に罹っても、その後、幸福をつかむことは出来ます。まずはしっかり寝て、体と心の調子を整えてください。決して自分の心が弱かったせいだ、と自分を追い込まないでほしいのです。結局、現在の日本社会そのものが精神疾患に罹っているとも考えられるからです。

 

⑤日本型社会主義と資本主義。

今、時代は転換期を迎えています。日本社会はこれまで独自の平等主義を採用してきました。それが、終身雇用、年功序列制度です。この暗黙のルールはある程度の平等性を日本人に担保してきました。しかし、その制度は崩壊し、日本の世界的立ち位置もどんどん下がっていく事が予想されます。一人当たりGDPも下がり、国家のGDP少子高齢化の影響も加わってどんどん下がっていくでしょう。その中で、グローバル経済が日本社会に入り込まなければ、日本が衰退してしまうのです。そのグローバル経済こそ、アメリカを中心とする純粋な資本主義です。この純粋な資本主義は、金もうけこそ、最大の善とする弱肉強食の社会です。日本社会は、この純粋な資本主義に、まだしっかり向き合っていません。しかし、時代は待ってくれません。私たち精神疾患を持つ人間は、意外とこの純粋な資本主義を生き抜く可能性を持っているかもしれません。WEBデザイン、プログラミング、せどり、ブログなど、さまざまなお金を稼ぐ方法が自由に広がっている時代になりました。こういった時代の変化に対応できるのは、衰退している日本企業からいったんドロップアウトした人の方が適応しやすいのです。時代の流れと、今現在日本社会で起きている歪みをしっかり認識することで、自由で快適な人生を送れるチャンスをつかむことが出来ます。どうか諦めず、まず自分の心と体を労り、しっかり休養してください。その後、なぜ、今自分がこのような立ち位置にいるのか把握する様努めましょう。そして、自分の価値観をもう一度見直し、少しづつ幸福になる道を歩んでいってほしいと思います。

 

このブログでは、精神疾患等に罹った方が幸せに生きるヒントを書いています。これからもどうぞよろしくお願いします。